作図ウィンドウ内でのマウス操作
図面データの入力、編集、画面の拡大縮小操作などを行うためのマウス操作を下表に示す。
これらのマウス操作を細かく使い分けることで、より効率的な作図が行える。
種類 | Jw_cadでの表記 | 動作 |
左 クリック | (L)free | 左 ボタンを押して放す |
右 クリック | (R)Read | 右 ボタンを押して放す |
左 ダブルクリック | (LL) | 左 ボタンを押して放す動作を2回連続して行う |
右 ダブルクリック | (RR) | 右 ボタンを押して放す動作を2回連続して行う |
両 ボタンクリック(または両クリック) | 左 右のボタンを同時に押して放す | |
両 ボタンドラッグ(または両ドラッグ) | 左 右のボタンを同時に押したままマウスを移動し放す | |
左 ボタンドラッグ(または左ドラッグ) | 左 ボタンを押したままマウスを移動し放す | |
右 ボタンドラッグ(または右ドラッグ) | 右 ボタンを押したままマウスを移動し放す |
左クリックと任意点指示
- ステータスバーに「(L)free」という表示がある時に作図ウィンドウ内で左クリック(L)すると、指示したそのままの位置に対応する座標が入力される。
- 任意点とは作図ウィンドウ上の任意な位置をいい、左クリック(L)は、その他、一般的な図形の指示に使用する。
右クリックと読取点指示
- ステータスバーに「(R)Read」という表示がある時に作図ウィンドウ内で右クリック(R)すると指示した位置の近くにある点(読取点)の座標が入力される。
- 近くに読取点がない場合「点がありません」というメッセージが表示される。
- 読取点とは仮点・実点、線・円弧の端点、線・円弧と線・円弧の交点、文字 列の左下・右下の点のことをいう。また特殊な読取点として線・円弧の中心点、線・円弧の線上点、円上1/4(1/8)点がある。
- 右クリックはその他線切断 や複線での前回値などの指示に使用する。
左ダブルクリックと基準線指示
- ステータスバーに「(LL)」という表示がある時に作図ウィンドウ内で左ダブルクリックすると、その時のステータスバーに表示されている機能が選択される。
- たとえば、[2線]コマンドで「基準線変更(LL)」と表示されている場面があり、ここで左ダブルクリックすると、クリックした位置に書かれている線 が基準線となる。
- [2.5D]コマンドと[日影図]コマンド以外では、通常のダブルクリックとは異なり、1回目のクリック後にマウスを動かさなければ、2回目のクリックとの時間間隔が空いても、ダブルクリックとみなされる。
- 逆に、左ダブルクリックが割当てられている場合に、左クリックを動作させるためには、クリック後にマウスを動かす必要がある。
右ダブルクリックと基準線指示
- ステータスバーに「(RR)」という表示がある時に作図ウィンドウ内で右ダブルクリックすると、その時のステータスバーに表示されている機能が選択される。
- たとえば、[伸縮]コマンドで「基準線指定(RR)」と表示されている場面があり、ここで右ダブルクリックすると、クリックした位置に書かれている線が基準線となる。
- [寸法]コマンドの「寸法値の変更」以外では、通常のダブルクリックとは異なり、1回目のクリック後にマウスを動かさなければ、2回目のクリックとの時間間隔が空いても、ダブルクリックとみなされる。
- 逆に、右ダブルクリックが割当てられている場合に、右クリックを動作させるためには、クリック後にマ ウスを動かす必要がある。
両ボタンクリック・両ボタンドラッグと画面操作
- 両ボタンクリックは、画面中央への移動に割当てられている。
- 両ボタンドラッグは、ドラッグの方向により、拡大表示、縮小表示、全体(範囲記憶)表示、前倍 率表示に割当てられている。
下図に、両ボタンドラッグの方向と機能の関係を示す。
両ボタンクリックおよび両ボタンドラッグ方向と画示機能の関係
両ボタン左上方向のドラッグ | = | 1/2縮小表示 |
両ボタン右上方向のドラッグ | = | 画面全体表示、範囲記憶画面表示 |
両ボタン左下方向のドラッグ | = | 前倍率表示と画面表示機能の関係 |
両ボタン右下方向のドラッグ | = | ドラッグ範囲拡大表示 |
両ボタンクリックのみ | = | 画面中央へ移動 |
両ボタンクリック=画面中央への移動
- マウスの左右ボタンの両方とも押したまま、マウスを動かさずに放すと(両ボタンクリック)、その位置が画面の中央に移動する。
- なお、両ボタンを押している間、マウスカーソルの位置に「移動」という文字が表示される。
両ボタン右下ドラッグ=範囲拡大表示
- マウスの左右ボタンの両方とも押したまま、マウスを右下方向に移動すると(両ボタン右下ドラッグ)、マウスカーソルの元の位置と現在の位置を対角の頂点とする長方形が表示され、作図ウィンドウ左上部に「拡大」という文字が表示される。
- ここで、そのままマウスを動かして拡大したい範囲を長方形で囲んでからマウスボタンを放すと、その範囲が作図ウィンドウ全体の大きさに適合するように拡大表示される。
両ボタン右上ドラッグ=画面全体表示、範囲記憶表示
- マウスの左右ボタンの両方とも押したまま、マウスを右上方向に移動すると(両ボタン右上ドラッグ)、元の位置に「全体」と表示されるので、ボタンを放すと用紙全体の幅が画面の横方向のサイズに適合するように全体表示される。
- ただし、「画面倍率・文字表示設定」ダイアログで画面範囲を記憶している場合は範囲記憶画面の表示になり、その範囲が作図ウィンドウ全体の大きさに適合するように拡大表示される。
両ボタン左上ドラッグ=1/2縮小表示
- マウスの左右ボタンの両方とも押したまま、マウスを左上方向に移動すると(両ボタン左上ドラッグ)、元の位置に「縮小」と表示されるので、ボタンを放すと画面が1/2に縮小表示される。
- 両ボタン左上ドラッグすると画面が1/2に縮小表示される
両ボタン左下ドラッグ=前倍率表示
- マウスの左右ボタンの両方とも押したまま、マウスを左下方向に移動すると(両ボタン左下ドラッグ)、元の位置に「前倍率」という文字が表示されるので、ボタンを放すと、直前に画面表示していた倍率の表示に戻る。
両ボタン操作が有効にならない場合の対処法
- 機種によってはマウスの両ボタンを押してもズーム操作に移行しない場合がある。
- これはマウスの両ボタンを押す操作が別の機能に割当てられているためである。
- その場合はWindowsのコントロールパネルからマウスのプロパティを開き、左右ボタンの同時押しを「中ボタン」(機種によっては「オートスクロー ル」などと呼称)に割当てればよい。
ズーム操作後の注意点
- ズーム操作後に他のアプリケーションを実行すると、左クリックしても右クリックのような動作をする場合がある(たとえばポップアップメニューが表示されるなど)。
- この現象は、いったん右クリックすると、以降は解消する。
- なお、これは、Windows98/MeなどのOS上で起こる現象である。
- Windows2000/XPなど、NT系のOSでは起こらない。
マウス操作による画面スライド
- Shiftキーを押しながら両ボタンドラッグすると、タッチパネル操作と同様に画面がスライドする。
- 基本設定→[一般(2)] で「Shift+左ドラッグで画面スライド」にチェックを入れた場合は、Shift+左ドラッグで画面がスライドする。
- ただし、包絡コマンドの[Shift+左ボタン]による中間線消去は使用できない。
ホイールボタンクリック・ドラッグによるZOOM操作
- ホイールボタンをクリック・ドラッグすることによって、両ボタンクリック・ドラッグと同じZOOM操作ができます。
([設定]→[一般(2)]→「ホイールボタンクリックで線色線種選択」にチェックが入っていない場合)
ホイールボタンクリックによる線色・線種選択
- [設定]→[一般(2)]→「ホイールボタンクリックで線色線種選択」にチェックが入っている場合、 マウスのホイールをクリックすると、線色・線種が選択できます。
- この場合マウスホイールクリック・ドラッグでのZOOM操作は無効となります。
通常の線属性ダイアログとの動作の違いは以下の通りです。
- マウスホイールの回転で線色または線種の仮選択→[OK]ボタンクリックで確定
- マウスをダイアログ下部([CANCEL]ボタンの位置)に移動すると、仮選択をキャンセルし、ダイアログ終了
- ダイアログ終了後、マウスが元の位置に戻る。
- マウスを作図ウィンドウ上でクリックすると、仮選択を確定し、ダイアログ終了